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Minami Arai

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行為の軌跡 II ―詩における自運―

会期:2015年4月6日(月)-2015年4月30日(木)
会場:武蔵野美術大学美術館
主催:武蔵野美術大学 美術館・図書館

制作者
活字になる前の本のインディーズである直筆原稿は、書く行為の軌跡である直筆によって人間性や身体性を感じられる。詩の原稿用紙をモチーフとし、学部時代の卒業制作で可視化させた原稿内に見られる「時間軸」に加え、修士制作では「筆圧」の視覚化を試みる事で立体に更なる深みと奥行きを与え臨書を行った。

担当教員: 新島実
この修士制作は文豪の直筆原稿を、針金を用いて臨書し作家の精神性を読み解こうと試みた「行為の軌跡」(2013年1月)をさらに深化させた作品である。前作では直筆原稿を、時間軸を中心に臨書を行っているが、修士制作では、臨書の精度を上げ、筆圧や運筆までに注意を向けている。テーマとした直筆原稿も小説から詩に変更。また文字再現に使用した銅線も塗装抜きの材に変更している。書かれた文字の意味と形象が放つ、活字の組み版からでは得られない感覚を、概念的な或いは意図的な造形によって表現するのではなく、直筆文字に回帰させている。前作に比較し、精度を上げた臨書によって表現された直筆原稿の空間には、文字を書くときに生じる線のノイズがそのまま再現され、作家の息づかいを感じる程の文字が見て取れる。そして今回の、臨書の精度をあげることによって生じたそのノイズの集積は、直筆原稿をよりリアルなものとしつつ、荒井さんの強靭な造形力によって、表現と再現の境界を溶融させている。

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